原材料へのこだわり
食感を形作る「棒寒天」と「糸寒天」

当店は昔から変わらず「棒寒天」と「糸寒天」の二種類を使用しています。
どちらとも天然素材ですので、その日の湿度や気温、煮詰める前の洗いの具合でも固まり具合などが変わってしまいます。
しかし、棒寒天と糸寒天でなければ当店のくろみつ玉天の食感は出せません。
気温や湿度で配合量を変える。
ふんわり柔らかいのに弾力があり、噛むとなめらかに溶けてゆく。
この食感を一年中保ち、いつでも美味しく召し上がって頂くために気温や湿度によって、棒寒天と糸寒天の配合量を変えています。
まろやかな甘みを生む「黒糖」

当店の「くろみつ玉天」には、通常の砂糖に加えて黒糖を使用しています。
その為、中の淡雪羹にほんのり黒糖の色がついており、真っ白ではありません。
明治頃は、現在のような白い砂糖の精製ができず、ミネラル分を多く含む赤糖やザラメなどで作られていて独特のコクや旨みがありました。現在の白い砂糖だけを使用しても、本来の和菓子の美味しさを再現することは出来ず、ただ砂糖を使用すれば良いというものでもありません。
ミネラル豊富でコクのある黒糖を季節によって配合量を変えつつ加えることで、甘いけれど甘すぎない、まろやかな甘さへと仕上げることができます。
濃厚でまろやかな卵

当店の卵は富山県産を使用しています。
淡雪羹に纏わせる黄身衣。
臭みが無く、黄身のコクが深い卵だけを使用しています。
良い卵を使用するからこそ、焼き上げた後の豊かな香りと旨みが出てきてくれるのです。


製法へのこだわり
その日の気温と湿度で変える、時間と配合。

当店は常にベストな状態の玉天を作り上げるために、日々の気温や室温によって
寒天の配合量や煮詰める時間などを変えています。

製法へのこだわり - 甘さ
当店のくろみつ玉天は季節によって甘さが違います。
日本には四季がある為、その都度人の体が求めている味や濃さは変わってしまいます。
一年通して同じ甘みで作ってしまうと、甘みを強く感じたり逆に薄く感じたりもしてしまうため、砂糖と黒糖の割合と使用する量を調節しています。
製法へのこだわり - 乾燥と熟成時間
型へ流した後、乾燥と熟成をさせます。
この時間で食感の大切な要素の一つである、「ふんわり」と「しっとり」とした食感が変わってしまいます。


製法へのこだわり - 仕上げ焼
黄身を纏わせ、香ばしく焼き上げる。
コクのある黄身を纏わせ、薄くごま油をひいた鉄板の上でじっくり丁寧に焼き上げて仕上げます。
焼きすぎてしまうと淡雪羹の気泡がしぼみ、本来の食感が失われてしまうとても繊細な作業の一つです。